きょうだいの日?一風変わったアメリカの大学文化

前の投稿からかなり日が経ってしましましたが、今回は面白いなと感じたアメリカの大学文化についてフォーカスしてみようと思います。さて、私が学んでいる大学では今週末に「きょうだいの日」と呼ばれるイベントがあります。英語では"Sibs(Siblings) Weekend"と呼ばれ、どうやら1年に一度行われているようですね。他の米国内の大学でも同じ時期、2月の初めに似たようなイベントが行われているようです。調べてみたところ、アメリカでは4月10日が兄弟姉妹の日(National Siblings Day)として定められているようなのですが、なぜ大学ではこの時期に祝うようになったのかはちょっと不明です。アメリカでは4月の終わりから5月の初めにかけて春学期の期末試験があるので、4月に入ると期末試験が近くなるからという理由でしょうかね…

さてさて、とにかく多くのアメリカの大学にはこの"Siblings Weeked"と呼ばれるイベントが毎年行われているようです。私の大学ではヒップホップコンサートとかバレーボールの試合とかいろいろなイベントがこの週末に合わせて行われます。学生が兄弟姉妹を大学に招いて一緒にパーティーをしたり、大学のキャンパスを紹介したり、とにかく兄弟姉妹同士で楽しい時間をともにする、そんな週末です。このようなイベントは、実はお母さんver.とお父さんver.もあって、それぞれ"Dad's Weekend," "Mom's Weekend"と呼ばれています。日本で言う大学祭のような大きなイベントではないですが、これらのイベントの週末になると、お母さんやお父さんと一緒にキャンパス内を歩いていたり、食堂で食事をしている学生をよく見かけます。

日本の大学でもオープンキャンパスなどで高校生が両親と一緒に大学見学をするという光景は当たり前のように見かけますが、日常の大学生活で在学生が両親と一緒にキャンパスを歩いている光景はなかなか見ない気がします。少なくとも私が日本で籍を置いている大学ではないですし、もちろん"Siblings Weekend"なんていうイベントも聞いたことがありません。もしかしたら日本でも欧米の影響を受けた私立大学は同じようなイベントをしてたりするのかも…ちなみに、日本でもどうやら兄弟姉妹の日がそれぞれあるようですが、知っている人なんてほんの一握りでしょうね。

 

 

-家族との距離感 in America

もちろんこれは人それぞれ、家庭によって違うことなので、アメリカ人全体を当てはめることはできないですが、少なくとも私が知っているアメリカ人はとにかく家族との親密感が強い。お母さんとはもちろん、お父さん、兄弟姉妹。家族との写真をよくSNSに載せているのを見ると、日本人との違いを感じてしまいます。私の通っている大学は州立大学ということもあって、州内からの学生が多いということもあるかもしれませんが、「今週末は実家に帰るから!」とかなり気軽な感じで片道数時間かけて実家に頻繁に帰ったりする学生もそこそこいます。ThanksgivingChristmasももちろん家族と過ごしますしね。私の仲の良い友人は姉妹で同じ大学に通っていますが、正直そのイチャイチャ度には最初衝撃を受けました。アメリカは離婚率がものすごく高いので、結構複雑な家庭構成の友人もいるのですが、それでも家族のことが好きだということがひしひし伝わってきます。家族には"I love you"も結構頻繁に使うようですし。日本人の私からすると家族に"I love you"は正直なところ少し気が引けます。あるアメリカ人の友人は家族が恋しいからという理由で(本人に直接聞いたわけではないですが)実家の近くの大学に編入してました。

 

 

-家族との距離感 in Japan

一方、日本人の学生はどうでしょう…日本の大学には"母の日"や"父の日"、ましてや"兄弟姉妹の日"のようなイベントは基本的にありませんし、大学から私の実家は車で約3時間ほどの距離であるにも関わらず私の帰省率は良くて年に2回、年末年始と夏休みといったところです。ちなみに私の他県からの友人も同じような頻度。かえって、日本人には、特に日本人の若年者には"家族と仲良しなのはカッコ悪い"という風に捉える風潮があるように思います。これね、「マザコン(マザーコンプレックス)」や「ファザコン(ファザーコンプレックス)」、「シスコン(シスターコンプレックス)」、「ブラコン(ブラザーコンプレックス)」という言葉によく体現されていると思うんです。4大コンプレックスとでも言いましょうか。家族への依存度や愛着の強さはこれらの言葉とセットでネガティブな文脈の中で語られることが多いような印象を受けます。家族の仲良しエピソードを話していると、こういった用語によってからかわれたなんていう経験をしたことがあるのはきっと私だけではないはず。アニメやドラマなんかでも、よく"兄妹間の禁断の愛"なんてテーマを扱ってたりするのも影響してるかもしれません。キャンパスの中を家族と歩いてるなんてもってのほか!!とまではいかないかもしれないですが、きっと恥ずかしさを感じる日本人は少なくないはず。

 

今週末の"Siblings Weekend"。アメリカの家族文化がよく表れたイベントであるとも言えるかもしれないですね。私からすると一風変わったアメリカの大学文化。アメリカ人からすると"Dad's weekend"も"Mom's weekend"も"Sibs Weekend"すらない日本の大学は一風変わっているのかもしれません。

 

今回はアメリカの大学文化を通して日米の家族関係について取り上げてみました。

Happy Sibs Weekend :)