留学の目的

2回目の投稿は、私がなぜ休学をしてまでアメリカに留学したのかをお話しできたらと思います。ところで、今週は今受講している講義で初めてのテストがあり、ちょっと忙しい一週間でした。結果はともあれ、とりあえず乗り切れたので一安心です。

 

さてさて、なぜ今留学をしているのかとうお話ですが、前回の投稿でも少し触れた通り、私は「トビタテ留学JAPANA!」という文部科学省と民間企業が協働して行っている留学生支援プロジェクトの第8期生として留学しています。

 

トビタテって何なの?

https://www.tobitate.mext.go.jp/

簡単に言うと、日本の大学生・高校生に留学中の月額奨学金や授業料補助、留学準備金等、経済的な支援を得られるプログラムです。その他にも、多様な分野で学ぶクレージーな全国の大学生とネットワークを築ける、充実した事前事後研修を提供してくれる等、多くのメリットがあるプログラムです。※奨学金の金額は留学先の国によって変動します。学生は自分の留学のテーマや留学先国・機関、活動内容(インターン等の実践活動を含む)を自由に決め、応募することができます。

 

こんな素敵なプログラム、他にないですよね。ただ、2020年までの予定で行われている事業なので、その後どうなるのかはわかりません…もしかしたらもう終了してしまうかも?…

 

ではでは、私はこのプログラムを利用してどんな目的で留学をしているのか…

一言で行ってしまうと、「ソーシャルワーカーとしての文化的コンピテンスを学ぶ」こと。ソーシャルワーカーっていうのは、日本語で言うと社会福祉士?(個人的にソーシャルワーカーを資格名である社会福祉士に訳すのは正直好きではないです…)のことで、主に行政の福祉機関や民間の福祉関連施設で相談員として働く人を指します。相談者の生活の質の持続・向上を目的として、生活上で生じている困難を面接等を通じて、相談者自身、他関係機関と協働して解決していくが仕事です。

 

文化的コンピテンスは「文化的力量」とでも言えますかね。つまりは、ソーシャルワーカーとして、相談者の文化的なバックグラウンドをいかに的確に把握し、支援過程で配慮できるかどうか、という専門職としての能力を指しています。

 

なんでソーシャルワーカーに文化的コンピテンス?

ここは日本の高等教育での社会福祉教育の欠陥だと個人的に考えているのですが、基本的に相談者は「日本人」であるという暗黙の了解に基づいた教育が日本ではされています。つまりは、ソーシャルワーカーと相談者の言語も文化的なバックグラウンド(日本人としての)も同一であるという前提が敷かれているんです。(一部日本人に縛られない多様な文化的バックグランドを持った相談者も視野に入れて教育をしている大学もあります。)

 

日本の大学の社会福祉学部で2年間の社会福祉教育を受けた私は、ここでちょっと疑問を感じたわけで。というのも、いくら同質的だといわれる日本社会でも、外国人住民や外国のルーツを持っている人は一定数生活しているわけで。おいおい、彼らの存在、完全に無視しちゃってるじゃん!って思ったんです。将来、ソーシャルワーカーとしてそういった人たちが相談者として私の目の前に来たとき、私はきっと的確な支援ができないぞ、と。しかし、支援者として外国人に関わったり、文化的コンピテンスを学ぶ機会は日本ではかなり限りがあります。そこで思い至ったのが、アメリカ留学でした。ソーシャルワークの先進国である上に、多民族国家であり、異文化間での支援の膨大なノウハウが蓄積されているアメリカ。これほど私にあった国はないと思ったんです。

 

留学の内容について…

英語は好きなものの、「英語力」は壊滅的だった私は留学開始から約3か月間、大学付属の集中英語学校で英語を学びました。なので、秋学期(8月から)が私の留学の本番といってもいいかもしれません。

 

秋学期は、4つの授業を受けています。「Cultural Anthoropology(文化人類学)」、「Race and Ethnic Relations(人種と民族)」、「Gender studies(ジェンダー学)」、「Rise of East Asia(東アジアの繁栄)」というラインナップ。これは知識面から文化に対する理解を深めようと受講しています。

さらに、夏学期に生徒としてお世話になっていた集中英語プログラムで週に数回インターンをさせてもらっています。インターンといっても授業やほかの活動と並行してなので、イベントの補助やデスクワークなどの簡単なお仕事をさせてもらっています。インターンでは留学生と関わることが多く、友達以外の関係性での異文化コミュニケーションを肌で学んでいるところです。

加えて、留学先の大学で日本の国際結婚家族についての研究をされている教授の下で、研究のアシスタントをしています。基本的にインタビューデータの文字お越し作業や日本語文献の英訳がメインです。国際結婚家族の物語は私にとって一つ一つ興味深く、こんなケースもあるのかと、インタビューごとにいろんな学びが得られます。日本では外国人当事者ではない私は、こうやって当事者のナラティブを聞くことが何よりも大切な気がします。それに、調査法についても勉強させてもらっています。

 

このほかにも、トビタテの活動の一環で留学先で「Japanese cultural hour」の運営に関わっているので、その活動の様子も、後ほど投稿できたらと思います。

 

次の投稿はおそらく今受けている授業の内容について書くことになるかと思います。

 

Kenta